春めく10

今朝も、晴れています。
西も東も、雲が多い朝です。
青空は、ほとんど見えません。
薄日(うすび)は射してきそうです。

紅梅の花が、いっぱい、咲いています。
白梅の花も、ちらほら、咲き出しました。
梅の花は莟(つぼみ)が、まことに美しいです。
梅の花が咲く列島は、美しいです。

外気は、まだ冷たいです。
天気は、どこか春めいて来ました。
だんだん春になっていきます。
眼白(めじろ)が1羽、蜜柑(みかん)の実を見に、やって来ました。
皮だけ、と思って、どこかよそに去っていきました。
文句もいわず、美しい小鳥です。
鵯(ひよどり)も1羽、やって来ました。
皮だけの蜜柑をつついて、どこかに去りました。
美しい小鳥たちです。

「春めきしこの一夜(ひとよ)さに梅もやと こころうごけば書(ふみ)読みがたし」(左千夫 春来 明治42年)
「おほかたのさもあらばあれ 紅梅(こうばい)は朝日の映えに見るべくあるらし」(左千夫 紅梅 明治42年)

「紅梅に春なほ寒き あさなあさな容(かたち)づくりもいたづらにして」(左千夫 紅梅 明治42年)
「たそがれの月にかなへる白梅(しらうめ)に 夜(よ)はゆづりけり紅梅の花」(左千夫 紅梅 明治42年)

「人のするほうほけ経も梅の花」(一茶 七番日記 文化十年二月)
「湯けぶりにせっつかれて咲く梅の花」(一茶 七番日記 文化十年二月)

白梅18

今朝も、多摩地域は、よく晴れています。
青い空です。
雲は、霞(かすみ)のような薄い白い雲です。
遠い山々も、霞んでいます。

朝から、太陽が、かがやいています。
ありがたい日の光が、そそいでいます。
あたたかな日の光です。
おだやかな春の光です。

ようやく>白梅(しらうめ)の花が、ひらきはじめました。
まだ咲きはじめたばかりです。
美しい白い小さな花が、二三輪です。
すばらしい、感動するばかりです。

紅梅は、たくさんの花がひらいています。
数えると、四十も、五十も、花が咲いています。
すばらしい、感動するばかりです。

やさしい日の光が、梅の花のやさしさを引きだすのでしょう。
やさしい梅の花は、人の心をやさしさを引きだすのでしょう。
人の心のやさしさは、また別の人の心のやさしさを引きだすのでしょう。

やさしい日の光に始まり、やさしい草や花に伝わり、やさしい人の心にも伝わります。
まことに、やさしさこそ、生きている全てのものから、全てのものに、伝わるのでしょう。
人のやさしい心から、人のやさしい心に、伝わるのでしょう。
すばらしい、感動するばかりです。

「梅花垣ねに匂ふ山ざとは 行きかふ人の心をぞみる」(賀茂成助 山家梅花をよめる 後拾遺集春)
「春はただわが宿にのみ梅咲かば かれにし人も見にときなまし」(和泉式部 後拾遺集春)

「我が宿の垣ねの梅のうつりがに 独りねもせぬ心ちこそすれ」(よみ人しらず 山里に住み侍りけるころ梅花をよめる 後拾遺集春)
「わが宿の梅のさかりにくる人は おどろくばかり袖ぞにほへる」(前大納言公任 題しらず 後拾遺集春)

「梅咲くや黒板塀の曲り角」(子規 明治27年)
「梅咲くや瑞光殿の鈴の音」(子規 明治27年)

「鍋提げて梅折る里の女かな」(子規 明治27年)
「道狭く梅さげて行く女あり」(子規 明治27年)

「春もやや気色(けしき)ととのふ月と梅」(芭蕉

頬白3

今朝も、多摩地域は、晴れています。
青い空です。
美しい青です。
白い雲が、二つ三つ、浮かんでいます。
風は、ありません。

朝から、太陽が、かがやいています。
やわらかな日光が、そそいでいます。
紅梅の花が、咲いています。
もう十四、五輪になります。
白梅(しらうめ)の花が、ひらきそうです。
莟(つぼみ)が白く、ふくらんでいます。

頬白(ほおじろ)が、二羽か三羽、梅の莟に来ています。
頬が白く、頭と羽が黒い小鳥です。
何が楽しいのか楽しそうに、飛びまわっています。
鵯(ひよどり)が、蜜柑(みかん)の皮をつついています。
おだやかな春の日です。

「ほしいままに霜がれわたるわが庭に 頬白(ほほじろ)来るを知らで過ぎにけり」(斎藤茂吉 折々 石泉 昭和7年)
「冬の野に頬白(ほほじろ)啼きぬ いそがしき人等(ひとら)あゆみをとどめて聞けば」(斎藤茂吉 早春 石泉 昭和7年)
「高槻(たかつき)のこずゑにありて 頬白のさへずる春となりにけるかも」(赤彦 春 大正12年)
「胡桃(くるみ)の木芽ぐまむとする もろ枝の張りいちじるくなりにけるかな」(赤彦 春 大正12年)

「頬白の来鳴きて芽立つものの蔓」(水原秋櫻子 重陽)
「頬白の庭木にかけし巣のひくさ」(水原秋櫻子 梅下抄)

まんさく9

今朝も、多摩地域は、晴れています。
青い空です。
雲は、見あたりません。
遠い山々が、くっきり見えます。
山の頂は、白い雪です。

朝から、太陽がかがやいています。
あたたかな日の光が、そそいでいます。
やわらかな日の光です。
風は冷たいです。
北陸は、きょうも大雪だそうです。

まんさく(金縷梅)の花が、咲きはじめました。
細い紐(ひも)のような黄色の花びらを開いています。
春の日の光を、いっぱい、浴びています。

白梅(しらうめ)も、蕾(つぼみ)が、綻(ほころ)びかけています。
まんさくにも、白うめにも、温(あたた)かみと優(やさ)しさが、あります。
春の日の光を、いっぱい、浴びています。

「きさらぎの梅の村へくだる月夜(つきよ)みち 坂なかばよりはや咲く白梅」(中村憲吉 月ヶ瀬行 大正13年)
「月よみに坂路はあかし 白うめの照らされし下をとほりて我は」(中村憲吉 月ヶ瀬行 大正13年)
「夜の目にも谷の家あひ梅おほし 匂(にほひ)のこもれる月かげの靄(もや)」(中村憲吉 月ヶ瀬行 大正13年)

「まんさくや従是(これより)東備中と」(森澄雄 鯉素)
「金蝋梅(まんさく)や硯作りの肩力」(森澄雄 花間)

春浅し13

今朝も、多摩地域は、晴れています。
青い空です。
美しい青です。
春まだ浅し、の空の景色です。

小さな白い雲が、一つ二つ、浮かんでいます。
どんどん流されています。
天空には、風が、あるのでしょう。
遠い丹沢の山々が、くっきり見えます。
春まだ浅し、の感じです。

朝から、太陽が照っています。
やわらかな日の光が、そそいでいます。
ありがたい日の光です。
外気は、冷たいです。
春まだ浅し、の感じです。

紅梅の花が、ふえています。
暖かな気持ちになります。
免疫力も、増すでしょう。
美しい梅の花です。
白梅は、まだ莟(つぼみ)のままです。
春まだ浅し、の感じです。

「最上川の岸の朝雪わが踏めば ひくきあまつ日かうべを照らす」(斎藤茂吉 紅色の靄 白き山 昭和21年)
「たとふれば一瞬(ひとまたたき)の朝日子は うすくれなゐに雪を染めたる」(斎藤茂吉 紅色の靄 白き山 昭和21年)

「ふかぶかと降りつもりたる雪原に 杉木立(すぎこだち)あるは寂しきものぞ」(斎藤茂吉 紅色の靄 白き山 昭和21年)
「遠山は見えず近山はおbろにて 雪に照りとほるきさらぎの月」(斎藤茂吉 紅色の靄 白き山 昭和21年)

「家々の軒端の梅を見つつ行く」(虚子 六百句 昭和18年2月)
「妻病みて春浅き我が誕生日」(虚子 六百五十句 昭和22年2月)
「梅が香の脈々として伝はれり」(虚子 七百五十句 昭和33年2月)

春の日射し5

今朝も、多摩地域は、晴れています。
青い空です。
美しい空です。

太陽が、朝から、かがやいています。
やわらかな春の日射しです。
美しい光です。

紅梅の花は、一日一日、ふえています。
美しい梅の花です。
白梅の花は、まだです。
美しい蕾(つぼみ)のままです。
外気は、かなり冷たいです。

「萱(くわん)ざうの小さき萌(もえ)を見てをれば 胸のあたりがうれしくなりぬ」(斎藤茂吉 細り身 明治42年 赤光)
「青山の町かげの田の畦(あぜ)みちを そぞろに来つれ春あさみかも」(斎藤茂吉 細り身 明治42年 赤光)

「きさらぎの日は落ちゆきて はやはやも氷らむとする甕(かめ)のなかの水」(斎藤茂吉 折々 石泉)
「ほしいままに霜がれわたるわが庭に 頬白(ほほじろ)来るを知らで過ぎにけり」(斎藤茂吉 折々 石泉)

「うらうらと春日(しゅんじつ)に舌ある如し」(川崎展宏
「春の日や茶の木の中の小室節(こむろぶし)」(正秀)
(註)小室節=江戸初期に流行した馬子唄の一つ。「♪小諸出て見よ、浅間の山にヨー、今朝も三筋の煙立つ、ハイハイ」を元歌とする説あり。

立春11

アサイド

今朝も、多摩地域は、晴れています。
西も東も、青い空です。
西の方は、やや雲が、多い朝です。

太陽は、朝から、かがやいています。
やわらかな日の光が、そそいでいます。
美しい春の陽光です。

きょうは、暦の上では、立春(りっしゅん)です。
あたたかな日になるようです。
梅の花が咲き、若菜が生え、虫が舞い、小鳥が鳴き始めます。
すべてのものが、むくむく、起き上がるようです。
気分が晴れます。

「袖ひぢてむすびし水のこほれるを 春立つけふの風やとくらん」(紀貫之 春たちける日によめる 古今集春)
「春きぬと人はいへども 鴬の鳴かぬかぎりが あらじとぞ思ふ」(みぶのただみね 春のはじめのうた 古今集春)
「鴬の谷よりいづるこゑなくば 春くることをたれか知らまし」(大江千里 古今集春)

「春立つや見古したれど筑波山」(一茶) 七番日記 文化12年)
「洛陽に春立つ二月三日かな」(子規 明治28年)
「水餅(みずもち)の焦げつく春の立てりけり」(久保田万太郎 昭和29年)
(註)水餅=保管のため餅を水の中に漬けた。

節分6

今朝は、よく晴れています。
太陽は、朝から、かがやいています。
やわらかな日射しは、あります。
東の空は、ぼんやり、青空が見えます。
西の空は、霞がかかっているようです。
うすい白い雲に覆われています。

きょうは、節分です。
立春の前日です。
節分は、年四回あるはずです。
冬と春を分ける節分が一番です。
梅(うめ)の花が咲くからでしょう。
雲が霞(かすみ)になるからでしょう。
やがて鶯(うぐいす)が鳴くからでしょう。
どことなく、あたりが、いっぺんに華(はな)やいでくるからでしょう。

きょうも、やさしい日の光に満ちています。
紅梅の花が、十二三輪に増えています。
今から開きそうな莟(つぼみ)が、たくさんあります。
白梅は、何度見ても、まだ莟のままです。
やや赤みを帯びて、美しい莟です。
おだやかな節分の朝です。

「梅の花さかぬ垣根もにほふかな よその梢に風や吹くらん」(権中納言長方 二条院の御時、梅花遠薫るといへる事を 玉葉集春)
「墨染の袖さへにほふ梅の花 うたて心も色になれとや」(寂連法師 賀茂重保よませ侍りける歌に、梅を 玉葉集春)

「折る袖に匂はとまる 梅がえの花にうつるは心なりけり」(前中納言定家 前右近中将資盛の家の歌合に 玉葉集春)
「色につき匂にめづる心とも 梅がえよりやうつりそめけん」(皇太后宮大夫俊成 賀茂の社に奉りける百首の歌の中に、梅をよみ侍りける 玉葉集春)

「節分や灰をならしてしづごころ」(久保田万太郎)

雪の朝13

今朝は、多摩地域は、雪の朝です。
しんしん、と雪が降っています。
あたりは、遠い家々の屋根も、白一色です。
まことに、美しい景色で、幸せです。

木々の枝も、庭も、雪が積もって、まっ白です。
空の色より、雪の方が白いです。
まことに、美しい景色で、幸せです。

少し小降りになりました。
まだ、さらさら、雪が降っています。
まことに、美しい景色で、幸せです。

眼白(めじろ)が一羽、雪の中を来てくれました。
小さな小鳥が、黄色の蜜柑(みかん)の実を啄んでいます。
白と黒い眼、小さな茶色の脚、黄緑色の羽根、白い産毛の生えた喉と胸、高貴な姿。
どれをとっても雪の中に映えます。
まことに、美しい景色で、幸せです。

これからは、一日一日が貴重で、大切です。
薄日(うすび)が射して来そうです。
木々の枝の雪や、家々の屋根の雪が、まぶしく、かがやいています。
天国には、雪が降らないかもしれません。
地球は、まことに、美しい景色で、幸せです。

鵯(ひよどり)も一羽、やって来ました。
うまそうに、蜜柑の実を食べています。
まだ雪が、ちらちら、降っています。
まことに、美しい景色で、幸せです。

「雪のいたう降り積もりたる上に、今も散りつつ、松と竹とのけぢめ、をかしう見ゆる夕ぐれ、人の御かたちも、光まさりて見ゆ。時々につけて、人の心をうつすめる、花もみぢの盛りよりも、冬の夜の澄める月に、雪の光あひたる空こそ、あやしう、色なきものの、身にしみて、この世のほかの事まで思ひ流され、面白さもあはれさも、残らぬ折なれ。」(源氏物語「朝顔」)

「今朝の雪根深(ねぶか)を薗(その)の枝折(しをり)哉」(芭蕉
「黒森をなにといふとも今朝の雪」(芭蕉)

「箱根こす人も有(ある)らし今朝の雪」(芭蕉)
「雪の朝独(ひと)り干鮭(からざけ)を噛(か)み得たり」(芭蕉)

二月7

今朝も、多摩地域は、晴れています。
きのうよりは、雲が多い朝です。
西も東も、空は、うすい白い雲に、おおわれています。

東の空が、やや明るくなっています。
薄日(うすび)が射してきそうです。
少しでも、日が射してくれると、人の気分も晴れます。
日光は、ありがたいです。

きょうから、二月。立春の月です。
もう、白梅(しらうめ)の花も開くでしょう。
毎朝、見に出ますが、まだ蕾(つぼみ)のままです。
少しは、赤らんでいます。
ふしぎに、花が待ち遠しいのです。

梅は、すばらしい木です。
寒い時季に、ひとり黙って、蕾と花をたくさんつけます。
今朝は、眼白(めじろ)が1羽、来てくれました。
蜜柑の実を啄(ついば)んでいます。
にわかに、うれしくなりました。
飽(あ)かず、この小鳥を眺(なが)めています。
きょうは、何か好いことがあるでしょう。

「かをる香のたえせぬ春は梅の花 吹きくる風やのどけかるらん」(久我前太政大臣 永保二年二月后の宮にて、梅花久薫といへる心をよみ侍りける 千載集春)
「今よりは梅咲く宿は心せむ 待たぬにきます人もありける」(大納言師頼 堀河院御時百首歌たてまつりける時、梅の歌とてよめる 千載集春)

「花の咲く木はいそがしき二月哉」(支考
「二ン月や天神様の梅の花」(一茶