散る桜13

今朝も、多摩地域は、晴れています。
雲が、多い朝です。
青空は、うっすらと見えます。

八重桜(やえざくら)の花が、散っています。
ときどき、吹雪(ふぶき)のように、花びらが舞います。
散る桜です。

若葉も、出てきました。
柿(かき)の若葉、欅(けやき)の若葉、楓(かえで)の若葉、日々、大きくなっています。
美しい季節です。
風も、あります。

人生は、一瞬です。
若いころは、人生は長い、と思っていました。
年を重ねるにつれて、つくづく、人生は短い、と思うようになりました。
すべて、一つかみの、散る桜と同じです。

毎晩、眠りに入る時、人生は、一瞬の出来事だった、と悟ります。
過去の記憶も薄れ、すべては夢のように、儚(はかな)いものでした。
すべて、一つかみの、散る桜と同じです。

年を重ねるにつれて、だんだん、思い出すことも、少なくなります。
悠久の宇宙に比べれば、人生全体が、一瞬の出来事です。
すべて、一つかみの、散る桜と同じです。

ウグイスも、近くで啼いてくれます。
ウグイスの鳴き声も、一瞬です。
すべて、一つかみの、散る桜と同じです。

「あだにちる梢の花をながむれば 庭には消えぬ雪ぞつもれる」(西行法師 白河の花、庭面白かりけるを見て 山家集春)
「風あらみじずえの花のながれきて 庭に波立つしら川の里」(西行法師 庭の花波に似たるといふことを詠みけるに 山家集春)
「ちるを見て帰る心や桜花 むかしにかはるしるしなるらむ」(西行法師 山家集春)

「身に更にちりかかる花や下り坂」(蕪村 自筆句帖 安永8(1779)年 64歳)
「うぐいすのたまたま鳴くや花の山」(蕪村 自筆句帖 安永9(1780)年 )
「ちるはさくら落つるは花のゆふべ哉」(蕪村 自筆句帖 安永9年 )