雪の朝13

今朝は、多摩地域は、雪の朝です。
しんしん、と雪が降っています。
あたりは、遠い家々の屋根も、白一色です。
まことに、美しい景色で、幸せです。

木々の枝も、庭も、雪が積もって、まっ白です。
空の色より、雪の方が白いです。
まことに、美しい景色で、幸せです。

少し小降りになりました。
まだ、さらさら、雪が降っています。
まことに、美しい景色で、幸せです。

眼白(めじろ)が一羽、雪の中を来てくれました。
小さな小鳥が、黄色の蜜柑(みかん)の実を啄んでいます。
白と黒い眼、小さな茶色の脚、黄緑色の羽根、白い産毛の生えた喉と胸、高貴な姿。
どれをとっても雪の中に映えます。
まことに、美しい景色で、幸せです。

これからは、一日一日が貴重で、大切です。
薄日(うすび)が射して来そうです。
木々の枝の雪や、家々の屋根の雪が、まぶしく、かがやいています。
天国には、雪が降らないかもしれません。
地球は、まことに、美しい景色で、幸せです。

鵯(ひよどり)も一羽、やって来ました。
うまそうに、蜜柑の実を食べています。
まだ雪が、ちらちら、降っています。
まことに、美しい景色で、幸せです。

「雪のいたう降り積もりたる上に、今も散りつつ、松と竹とのけぢめ、をかしう見ゆる夕ぐれ、人の御かたちも、光まさりて見ゆ。時々につけて、人の心をうつすめる、花もみぢの盛りよりも、冬の夜の澄める月に、雪の光あひたる空こそ、あやしう、色なきものの、身にしみて、この世のほかの事まで思ひ流され、面白さもあはれさも、残らぬ折なれ。」(源氏物語「朝顔」)

「今朝の雪根深(ねぶか)を薗(その)の枝折(しをり)哉」(芭蕉
「黒森をなにといふとも今朝の雪」(芭蕉)

「箱根こす人も有(ある)らし今朝の雪」(芭蕉)
「雪の朝独(ひと)り干鮭(からざけ)を噛(か)み得たり」(芭蕉)