曼珠沙華12

今朝は、曇り空です。
青空は、見えません。
うすい白い雲に、おおわれています。
西の方は、やや灰色の雲が薄くなっています。

東の方は、明るいです。
薄日(うすび)は、あります。
蝉(せみ)は鳴きません。
静かな、静かな秋の朝です。

きょうから、秋彼岸に入ります。
曼珠沙華(まんじゅしゃげ)の花が、咲きはじめています。
彼岸花を見ると、なぜか、なつかしさが胸に、せまります。
遠い昔のふる里の土手を、思い出すのかもしれません。

この花が、こんなに赤いのは、どうしてか、と思いました。
やはり、地上に降りて来る先祖の魂と、関係があるのかな、と思いました。
お墓の所にも、咲いているのは、その証拠かな、とも思いました。
今はただ、昔のお墓や土手の景色が、やたら、なつかしく思い出されるだけです。

朝顔(あさがお)の花は、まだ咲いてくれます。
うすい藍色が多いです。
朝顔の花を見ると、まことに、心が和みます。
朝顔の花を見ると、まことに、力(ちから)をいただきます。

「曼殊沙華(まんじゅしゃげ)の花あかあかと咲くところ 牛と人とが田を鋤きてゐる」(白秋 閻魔の反射 雲母集)
「曼殊沙華(まんじゅしゃげ)茎立(くきだち)しろくなりにけり この花むらも久しかりにし」(白秋 こほろぎの髄 白南風)

「紅(こう)を眼にとめて曼珠沙華ぞと思ふ」(山口誓子 激浪 昭和19年9月20日)
「落窪を真紅にしたり曼珠沙華」(山口誓子 激浪 昭和19年9月20日)