葡萄12

今朝も、曇り空です。
台風が近づいているためでしょう。
さっきまで、雨が降っていました。
今は、雨は一時、やんでいます。
風も、やんでいます。
台風は、東北地方に、北上しているようです。

葡萄(ぶどう)を買ってきて、食べています。
一粒が大きな実です。
熟した紫色の実が房になっています。
柔らかな身も、紫色の汁も甘いです。
すばらしい旬(しゅん)の果実です。
まことに、心が和みます。
葡萄あり、梨(なし)あり、李(すもも)あり、まことに心ゆたかになります。

「ただ見てもわれはよろぶ 青ぶだうむらさき葡萄(ぶだう)ならびてあれば」(斎藤茂吉 ぶだう 寒雲 昭和13年)
「をとめ等(ら)がくちびるをもて つつましく押(お)しつつ食はむ 葡萄(ぶだう)ぞこれは」(斎藤茂吉 ぶだう 寒雲 昭和13年)

「三尺の庭を掩ふや葡萄園」(子規 明治32年)
「虫絶えず来る小窓や葡萄園」(子規 明治32年)

ポスト @ 10:57:40 | エッセー

今朝も、雨が降っています。
はげしい雨ではありません。
台風が、ゆっくり近づいているのでしょう。
ときどき、シトシト、雨が降ります。
時々、雲が切れます。
ときどき、薄日も、射します。

晴れると、蝉(せみ)が鳴きだします。
シャーシャー、蝉が鳴いています。
残り少ない季節を鳴いているようです。

李(すもも)を買ってきて、食べています。
白桃よりは、むろん少しかたい感じです。
ヨーグルトと蜂蜜をかけます。
なかなか、好い味です。

プラムと書いた札と並んでいます。
プラムは、西洋(せいよう)李のようです。
杏(あんず)より、少し大きいようです。
いろいろな果実が食べられて、幸せです。

「朝に聴きて夕(ゆふ)に言問(ことと)ふ 山川の音のたぎちよ聴かずなりなむ」(白秋 山河哀傷吟 渓流唱)
「おもて戸ゆ古き湯宿の灯(ひ)は洩れて 女童(めわらは)ひとり葡萄食(は)む見ゆ」(白秋 山河哀傷吟 渓流唱)

「白地着て李の紅をまた好む」(森澄雄 浮鷗)
「休暇近づく李の紅を臥て食らふ」(森澄雄 花眼)

枝豆10

今朝も、曇り空です。
西も東も、きのうより、やや薄い白い雲です。
東の空は、やや明るいです。

薄日が、射しそうです。
風は、少ししかありません。
雨はまだ、降りそうもありません。

枝豆が、うまい季節です。
青い枝豆です。
いくらでも、食べてしまいます。
和食の最たるものでしょう。

枝豆を食べると、ふしぎに、遠い昔のふるさとを思い出します。
畳の部屋に、小さなちゃぶ台があります。
竹ざるの中に、ゆであがったばかりの、枝豆があります。
実に豊かで、贅沢な感じがします。

今朝も、シャーシャー、蝉(せみ)が、はげしく鳴きだしました。
台風が近づいていても、平気のようです。
休まず、鳴いています。
秋は、すぐそこにあるようです。

「空家(あきや)めく古きがなかにすわりたる 母と逢ひにけりみじかき夢に」(若山牧水 夢 黒松)
「夢ならで逢ひがたき母のおもかげの 常におなじき瞳したまふ」(若山牧水 夢 黒松)
「名はいまは忘れはてたれ 顔のみのふるさとびとぞ夢に見え来る」(若山牧水 夢 黒松)

「芋を喰はぬ枝豆好の上戸かな」(子規 枝豆十二句より 明治34年)
「芋あり豆あり女房に酒をねだりけり」(子規 枝豆十二句より 明治34年)

きりぎりす10

今朝は、シトシト、雨が、ふっています。
秋の雨のようです。
台風が近づいているせいかもしれません。

空は、灰色に、くもっています。
ときどき、空が、暗くなります。
雨が、ザーザー、ふってきます。
風は、ありません。

昨夜も、ギーギー、いくつかの虫の音が聞こえました。
きりぎりす、か、こおろぎ、かもしれません。
ときどき、チンチン、チンチン、と鳴く虫も混じります。
鉦(かね)叩き、かもしれません。
何の虫にしても、こころよい音色です。

また雨が、はげしく、ふってきました。
雨の音が、聞こえます。
雨の音も、虫の音も、大昔から日本人が聞いてきた、なつかしい音です。

「野辺になく虫もや物は悲しきと こたへましかば問ひて聞かまし」(西行法師 山家集秋)
「秋の夜を独や鳴きてあかさまし ともなふ虫の声なかりせば」(西行法師 山家集秋)

「行燈(あんどん)に飛ぶや袂のきりぎりす」(丈草
「鳴いてきりぎす生きてはゐる」(山頭火 鴉)

法師蝉10

今朝は、秋晴れの天気です。
まっ青な空が、ひろがっています。
雲は、どこにも見えません。

気温は、上がっています。
強い日光が、照りつけています。
朝の風は、さわやかです。
きょうも、暑い日になるでしょう。

朝から、法師蝉(ほうしぜみ)が、鳴いています。
オーシンツクツク、オーシンツクツク、とせわしく鳴いています。
遠くで鳴いてり、近くで鳴いたり、しています。

おわりに、ホイヨスー、ホイヨスー、とも聞こえます。
どこか物憂げでもあり、寂しげにも、聞こえます。
去りゆく夏の、景色のようです。

シャーシャー、蝉も、鳴きだします。
ジージー、蝉も、鳴きだします。
うるさいほどの、この蝉しぐれは、なぜか、こころよい響きです。

先日、九鬼周造の「日本的性格」(岩波文庫「人間と実存」)を読みました。
自然、意気、諦念は、「道」であり「精神力」であり「宗教」のようです。
3種の神器でいえば「玉」、「鏡」、「剣」に相当し、神、仏、儒にも、情、知、意、にも相当すると言います。

脳でいえば、右脳(情)、左脳(知)、前頭葉(意)に相当するかもしれません。
つまり個人個人にも、3種の神器の玉(情)、鏡(知)、剣(意)が伝えられているのです。
認知症では、右脳では人の顔が、左脳では言葉が分からなくなり、前頭葉では抑制力が弱くなるそうです。
生きていく上で、どれも大切ですが、一番大事なのは、右脳の感情、人の顔の識別、「自然」かもしれないと、フッと思いました。

「あぶら蝉鳴きゐるこゑもにくからず われと汝(なれ)とのなからひのこと」(斎藤茂吉 強羅雑歌 つきかげ)
「あぶら蝉杉の膚に鳴きそめてをはりの声にいよよ近づく」(斎藤茂吉 強羅雑歌 つきかげ)

「ひぐらしのこゑのむらがるゆうまぐれ この山の家に身は老いてをり」(斎藤茂吉 強羅雑歌 つきかげ)
「熊蝉のひとつ聞こゆる 山の木の下かげとほる われは老いつつ」(斎藤茂吉 強羅雑歌 つきかげ)

「飯食へば暑くなるなり法師蝉」(石田波郷 酒中花)
「齢九十われにつくつく法師かな」(森澄雄 蒼茫)

残暑8

今朝も、晴れています。
西の空には、青空が見えます。
美しい水色です。

白い雲が浮かんでいます。
夏の雲と秋の雲の中間くらいです
東の空にも、青空が見えてきました。

きょうは、きのうより、気温が高そうです。
残暑です。
まだ夏の空気が残っています。

朝早くから、蝉(せみ)が鳴いています。
シャーシャー、蝉です。
ジージー、ジージー、鳴く蝉もいます。

法師蝉(ほうしぜみ)も鳴きだしました。
オーシンツクツク、オーシンツクツク、と鳴きます。
そのあと、ホヒヨスー、ホヒヨスー、と鳴くようです。
蝉しぐれの中にいると、妙に、心が落ち着きます。

昨日は夕方、多摩地域では、雷雨(らいう)がありました。
短い間に、強い雨と雷の音がしました。
きょうも、雷雨があるかもしれません。

「人里はちかくにあれど 谷の戸を杉のとざして寂(し)かなる寺」(中村憲吉 杉林奥の寺 永平寺の夏 昭和2年)
「谷の入りふかからずして田畑あり 大禅院(だいぜんゐん)のもちてこもれる」(中村憲吉 杉林奥の寺 永平寺の夏 昭和2年)

「冷や々々と木蔭(こかげ)をつたふ残暑哉」(浪化)
「袖口に風拾ひ込むあつさかな」(酒堂)

朝涼2

今朝は、晴れています。
薄い白い雲が多い朝です。
薄日は、射しています。

朝は、だいぶ涼しくなりました。
秋が近づいているのでしょう。
朝涼です。

蝉(せみ)が、はげしく鳴いています。
蝉も、秋を感じているのでしょう。
シャーシャー、鳴く蝉と、ジー、ジー、鳴く蝉の合唱です。
法師蝉(ほうしぜみ)も、少し鳴きました。

今朝はわが庭にも、朝顔(あさがお)が、4つも5つも、咲いています。
紺色が2つ、藍色が1つ、紫色が2つです。
急に、うれしくなりました。

「朝涼しみ朝顔の花のいろよさの あなみづみづし一輪一輪」(木下利玄 朝涼 みかんの木)
「朝涼の静けさに見る 目の前の瑠璃 あさ顔の輪の大きさ」(木下利玄 朝涼 みかんの木)

「この秋をわれ肥(こ)ゆるらし 起き起きの心さわやかに顔あらふかも」(古泉千樫 秋風吟 大正14年)
「空たかみ白雲さやにうごくなり 土をふみつつ仰ぎ見るかも」(古泉千樫 秋風吟 大正14年)

「自(おのずか)ら風の涼しき余生かな」(虚子 七百五十句 昭和30年)
「風生と死の話して涼しさよ」(虚子 七百五十句 昭和32年)

処暑5

今朝は、晴れています。
薄い白い雲があります。
薄日も、あります。

台風も過ぎて、少し秋に入ったようです。
風は、そよ風ですが、湿気があります。
朝から、オーシン・ツクツク、オーシン・ツクツク、と、法師蝉が鳴きだしました。
法師蝉が、秋を知らせてくれます。

きょうは、暦の上では、処暑(しょしょ)です。
暑さは、収まるころですが、残暑はあるようです。
シャーシャー、蝉も鳴いています。

揚羽蝶(あげはちょう)も、舞ってきました。
地球には、美しい生き物が、いっぱいいます。
どうして、こんなに多様な生き物が生まれたのか、ふしぎです。
変り種が突然、出てきて、生きのびているのかもしれません。
どんな変り種が生きのびるかは、だれにも分かりません。

「秋に入るみちのく山に雨降れば 最上川(もがみがは)のみづ逆(さか)まき流る」(斎藤茂吉 たかはら 昭和4年)
「最上川(もがみがは)の岸ひくくして 濁りみづ天(あめ)より来(きた)るごとくぞおもふ」(斎藤茂吉 たかはら 昭和4年)
「元禄(げんろく)のいにしへにして旅に来し 芭蕉(ばせを)の文字(もじ)をここにとどむる」(斎藤茂吉 たかはら 昭和4年)

「処暑の庭鯉はねてなほ雨意のこる」(辻田克巳
「老犬の処暑の大地にはらばひて」(細谷喨々)

台風5

今朝は、雨が降っています。
明け方から、多摩地域も、烈しい雨が降っています。
台風が近づいています。
まもなく関東地方に上陸するということです。
多摩地域には、雨が、叩きつけるように、降っています。
風も強いです。

蝉(せみ)も、鳴きません。
小鳥たちも、啼きません。
この台風が過ぎ去ることを、じっと待つしかありません。

この台風が過ぎ去れば、いっそう秋になるのでしょう。
テレビでは今、リオ・オリンピックの閉会式が放送されています。
4年後に、日本の東京で会いましょう、と言っています。

「近づきてつくづくあふぐ 千年(ちとせ)経て今日の時雨にぬれゐる塔を」(木下利玄 大和国法起寺 一路)
「堂塔(だうたふ)に時雨の雨の降りにふり 夕ちかみくる今日のわびしさ」(木下利玄 大和国法起寺 一路)
「塔の下(した)かわけるたたき わが傘(かさ)の雫(しづく)の跡()あとを印(いん)しけるかも」(木下利玄 大和国法起寺 一路)

「颱風の朝の灯を消し発たんとす」(加藤楸邨 野哭 昭和21年)
「颱風の秋風となりゐし目覚」(加藤楸邨 都塵抄十七 寒雷)

秋の蚊9

今朝は、よく晴れています。
朝から、太陽が輝いています。
強い日光が、ガンガン、照りつけています。
きょうは、暑い日になるでしょう。

蝉(せみ)が、はげしく鳴いています。
シャーシャー、鳴く蝉も、聞こえます。
ジージー、鳴く蝉もいます。

油断すると、蚊(か)に、刺されます。
このごろの蚊は、蚊取り線香にも、死にません。
耐性ができたのか、どこかに隠(かく)れているだけです。
線香の煙が、なくなると、また出てきて、刺します。
厄介な秋の蚊です。

リオ・オリンピックは、終盤です。
陸上男子400メートル・リレーで、日本は、初めて銀メダルでした。
山縣亮太、飯塚翔太、桐生祥秀、ケンブリッジ飛鳥の4選手は、美しい走りでした。
シンクロナイズド・スイミングの女子選手たちの懸命なパフォーマンスが、すばらしいです。
楽しい2週間のテレビ観戦でした。

「ひぐらしの声も絶えたる みちのくの沢をくだりて日向に出でぬ」(斎藤茂吉 山沢 石泉 昭和6年)
「雲はれし秋もまだきの渓(たに)そこに つめたき風がしばし吹きたり」(斎藤茂吉 山沢 石泉 昭和6年)

「渓底(たにそこ)はすがしかりけり くだり来て水(みづ)の香(か)のする水際に立ちつ」(斎藤茂吉 山沢 石泉 昭和6年)
「草なかにいろ青くして ひそまりしバッタ(ばった)は飛びぬ秋の日向に」(斎藤茂吉 山沢 石泉 昭和6年)

「見失ひし秋の昼蚊のあとほのか」(虚子 五百句 大正9年)
「秋の蚊の居りてけはしき寺法かな」(虚子 五百句 大正時代)
「秋の蚊は芙蓉(ふよう)の花のかげよりも」(虚子 七百五十句 昭和33年)