落花2

今朝も、多摩地域は、晴れています。
青い空が、ひろがっています。
美しい水色です。

白い雲が、浮かんでいます。
朝の太陽が、かがやいています。
美しい日光です。

ときどき、八重桜(やえざくら)の花びらが、散ります。
ハラハラと、桜の花びらが、舞います。
白い小さな蝶(ちょう)か、と見まちがえます。
美しい、まことに、美しい落花です。

藤(ふじ)の花が、やや満開を過ぎた感じです。
美しい薄紫色の花房が、垂れさがっています。
風は、ありません。

熊蜂(くまばち)が、飛んでいます。
蜜(みつ)を集めているのでしょう。
人が生まれる、ずっと、ずっと、以前から、花が咲き、蜂が舞っているのでしょう。
人が生き続けていられるのも、花や蜂のおかげでしょう。
まことに、ありがたい、幸せなことです。

「あだに散る梢の花をながむれば 庭には消えぬ雪ぞつもれる」(西行法師 山家集春)
「風あらみこずゑの花のながれきて 庭に波立つ白川の里」(西行法師 山家集春)

「散る花ににぎる手を出すわらび哉」(土芳
「散る花にたぶさ耻(は)じけり奥の院」(杜国)
(註)たぶさ=もとどり。ここは有髪で俗体を示す。法体姿の芭蕉に同伴して高野山奥の院に参詣した時の吟。

「身に更にちりかかる花や下り坂蕪村 自筆句帖)

樟落葉2

今朝も、晴れています。
明け方まで、雨が降っていました。
今は、晴れてきました。

西の方は、まだ厚い雲があります。
東の方は、明るい薄日(うすび)が、射して来ました。
美しい光です。

おびただしい落葉が積(つ)もっています。
この時季、散る樟(くす)の落葉です。
歩くと、カサ、カサ、快い音がします。
掃(は)くと、山のような落葉が、集まります。

柿(かき)、葡萄(ぶどう)、欅(けやき)、楓(かえで)、みんな美しい若葉です。
藤(ふじ)の花が、美しい紫色です。
熊蜂(くまばち)が、蜜(みつ)を吸(す)いに、舞って来ました。

ときどき、ハラハラ、八重桜(やえざくら)の花が散ります。
著莪(しゃが)の花も、咲いています。
そよ風も、あります。

まことに、美しい初夏の日です。
今朝の東京の日の出は、4時54分、日の入りは、午後6時24分です。
昼間が、13時間半と、永くなりました。

「風わたる紀三井の寺の樟(くす)若葉 すがしき下にわれら憩(いこ)ひき」(佐藤佐太郎 形影 昭和44年)
「貧困の時よりつづく 二十年老いて 胡蝶花(しゃが)さく槙尾(まきのを)に来つ」(佐藤佐太郎 形影 昭和44年)

「いつまでも樟落葉掃く音つづく」(山口青邨

三味線草8

今朝も、晴れています。
雲が多い朝です。
青空は、見えません。

薄日(うすび)は、うっすらと、あります。
柿の若葉が、いっそう、美しいです。
八重桜に花びらが、ハラハラ、散ります。

ペンペン草の花が、咲いています。
よく見て気づく、白い小さな花です。
葉は、三味線の撥(ばち)の形です。
三味線草は、春から初夏にかけて、花を咲かせます。

こういう小さな雑草を詩歌に詠うのが、日本人です。
薺(なずな)の花が、咲くのを待つのが、日本人です。
ぺんぺん草に、心を和ませるのが、日本人です。

「もの思ひすべなきときはうち出でて 古野(ふるの)に生(お)ふる薺(なづな)をぞ摘む」(良寛
「なにごとも移りのみ行く世の中に 花は昔の春にかはらず」(良寛)

「しきたへの袖ふりはへて 春の野に すみれを摘みしこともありしか」(良寛)
「いにしへを思へば夢の世なりけり 今のこむ世の夢にぞあるらし」(良寛)
「良寛に辞世あるかと人問はば 南無阿弥陀仏といふと答へよ」(良寛)

「よく見れば薺(なずな)花咲く垣根かな)」(芭蕉

「妹(いも)が垣根さみせん草の花咲きぬ」(蕪村

「行灯(あんどん)やぺんぺん草の影法師」(一茶 文政句帖)
「薺(なずな)摘んで母なき子なり一つ家」(漱石

散る桜12

今朝も、多摩地域は、よく晴れています。
青い空です。
美しい水色です。

白い雲が、浮かんでいます。
綿(わた)のように、白い雲です。
美しい白色です。

太陽が、照っています。
日光が、燦々(さんさん)と、そそいでいます。
葡萄(ぶどう)の若葉や、柿(かき)の青葉が、かがやいています。
初夏の日の光です。

八重桜(やえざくら)が、ハラハラ、散っています。
花びらが、小さな蝶(ちょう)のように、舞っています。
蝶は、舞う花びらから生まれたのでしょう。

藤(ふじ)の花は、散っていません。
青い空、萌(も)える若葉、散る桜、まことに、天国です。
かがやく日光、白い雲、満開の藤の花、まことに、天国です。
舞う黄色の蝶、啼く鶯(うぐいす)、まことに、天国です。

「もろともに我をも具してちりね花 うき世をいとふ心ある身ぞ」(西行法師 山家集春)
「惜しめばと思ひげもなくあだにちる 花は心ぞかしこかりける」(西行法師 山家集春)

「ながむとて花にもいたく馴れぬれば 散る別こそ悲しかりけり」(西行法師 山家集春)
「思へただ花のなからむ木のもとに 何をかげにて我身住みなむ」(西行法師 山家集春)

「くさめにも散りてめでたし山ざくら」(蕪村
「花散りてもとの山家となりにけり」(蕪村)
「山ざくら散るや夕風朝あらし」(蕪村)

熊蜂10

今朝も、晴れています。
やや雲が多い朝です。
青空も、見えます。
西も東も、雲が薄くなっています。
薄日(うすび)が、射してきました。

藤の花が満開です。
まことに、美しい色の花の房が、垂れています。
見事と、感嘆するしかない色と姿の、華麗(かれい)な花房です。

熊蜂(くまばち)が1匹、勇然と、舞ってきました。
まことに、美しい太った、からだが毛だらけの蜂です。
しきりに、花から花へ、藤の蜜(みつ)を採っているようです。
見事と、感嘆するしかない色と姿の、素晴らしい蜂です。

近くで、鶯(うぐいす)が、啼いてくれました。
少し、前とは、啼き方が違って来たように聞こえます。
あたりは、初夏の気配です。

「春山はけぶり立ちたる 若萌(わかもえ)の下ゆく道に上着(うはぎ)を脱ぎつ」(土屋文明 尾張沓掛村 四月二十一日 青南集)
「三十年(さんじふねん)心にありし 冬ざれの墓山 今日は春の村の上」(土屋文明 尾張沓掛村 青南集)
「道の上に折りて手向(たむけ)のしで桜 俳句学ばざりしことも思ひつ」(土屋文明 尾張沓掛村 青南集)

「蜂の尻ふはふはと針をさめけり」(川端茅舎

羊歯の葉7

今朝は、多摩地域は、よく晴れています。
空は、青い空です。
雲は、白い雲です。
朝から、太陽は、カンカン、照りです。
日光は、まぶしいほどです。
風は、さわやかです。
まことに、空が美しい、申し分のない季節です。

名も知らぬ草が、生い茂る季節です。
杉菜(すぎな)や、カラスの豌豆(えんどう)など、雑草が、繁茂してきます。
羊歯(しだ)の葉も、青々としています。
羊歯の葉は、美しいです。
大昔から、蕨(わらび)、ぜんまい、ともに、山に生える草です。
まことに、草々が美しい、申し分のない季節です。

木々の若葉も、かがやいています。
柿(かき)の若葉、欅(けやき)の若葉、楓(かえで)の若葉も、かがやいています。
鶯(うぐいす)が近くで啼いてくれます。
白い蝶(ちょう)が、2匹で、乱舞しています。
まことに、木々の青葉が美しい、申し分のない季節です。
人生、これに優(すぐ)るものはなうでしょう。

「わがおもふことは悲しも 萌えいでし羊歯(しだ)のそよぎの暮れてゆくころ」(斎藤茂吉 庭前即事 白桃)
「ゆふぐれの光のこりて 羊歯もゆるわが庭の土にしましおりたつ」(斎藤茂吉 庭前即事 白桃)
「擬宝珠も羊歯も萌えつつ ゆく春のくれかかる庭ひとり見にけり」(斎藤茂吉 庭前即事 白桃)

「山草の行き来に触るる一葉かな」(石川桂郎
「裏白や天竜の瀬は風の底」(木村蕪城)
「羊歯萌ゆる谿密教の行の谿」(長谷川佐和)

筍12

今朝は、多摩地域も、晴れています。
雲が多い朝です。
白い雲と、灰色の雲が、出ています。

青空は、かすかに透(す)けて、見える程度です。
薄日(うすび)が、ときどき、射す気配です。
気温は、摂氏15、6度の晩春の日です。

京都(きょうと)の筍(たけのこ)を2本、大阪の原田浩二さんが、送ってくださいました。
太い、見事な筍です。
この上なく、美しい筍です。
さっそく茹(ゆ)でて、いただきました。
すばらしい、味わいです。
これぞ旬(しゅん)の、贅沢(ぜいたく)の極(きわ)みです。

蕗(ふき)の葉も、大きくなっています。
茎(くき)も、伸びています。
筍も、蕗も、旬の味わいです。

大学通りの、ソメイヨシノは、ほとんど散って、葉桜(はざくら)です。
八重桜’(やえざくら)は、まだ花が残っています。
さっき、鶯(うぐいす)が近くで啼いてくれました。
まことに、妙なる声で、少し啼いて、去りました。
何もかも、感謝申し上げたい、晩春の日です。

「葉ざくらよ 雨間(あまま)の雫(しづく)血を打てり 花どき過ぎてかくはしづけき」(木下利玄 葉桜雨 一路)
「これやこの雲井の桜 霧をふくみ 五百枝(いほえ)の花の冷えびえ白し」(木下利玄 葉桜雨 一路)
「おく山は このおそ春も冷ゆるなり 残れる桜に霧のつゆ凝(こ)る」(木下利玄 葉桜雨 一路)

「竹の子に小坂の土の崩れけり」(園女
「竹の子に身をする猫のたはれ哉」(許六
「竹の子に行燈さげてまはりけり」(長虹 阿羅野)

アイリス11

今朝は、多摩地域は、曇り空です。
一面、どんより、灰色の雲に、おおわれています。
靄(もや)か霧(きり)に、つつまれています。
風は、ありません。

薄日(うすび)も、ありません。
今にも、雨が降りそうな、湿度の高さです。
あたりの景色は、ぼんやりしています。

鉄柵の横に、アイリスの花が、いくつも咲いています。
西洋あやめです。
あでやかな薄紫色に、黄色が混じった花びらです。
目の覚めるような、色っぽい美しさです。

八重桜(やえざくら)の花が、うすい桜(さくら)色で、美しいです。
藤(ふじ)の花が、うすい藤(ふじ)色で、美しいです。
椿(つばき)の花も、うすい桃色で、美しいです。
石楠花(しゃくなげ)の花は、濃い紅(べに)色で、豪華です。
しめっぽい空気の中で、それぞれ、思いっきり、絢爛(けんらん)たる美を競(きそ)っているようです。

「朝じめり藪の接骨木(にはとこ) 芽はおほく皮ぬぎてををり ねむごろに見む」(木下利玄 接骨木の新芽 紅玉)
「もろ向きににはとこの枝ひろがれり 新(にひ)ふと青芽 あまねくもちて」(木下利玄 接骨木の新芽 紅玉)
「にはとこの新芽(しんめ)ほどけぬ その中に その中の芽のたたまりてゐる」(木下利玄 接骨木の新芽 紅玉)

「アイリスを見ゆる一眼にて愛す」(日野草城

穀雨5

今朝は、快晴です。
青い空が、ひろがっています。
雲ひとつ、見あたりません。
西の方に、かすかに、霞(かすみ)が出ています。

朝から、太陽が、かがやいています。
やわらかな日光がそそいでいます。
気温は、一昨日までの夏日より、低そうです。
日中は、摂氏21度という予報です。

きょう、暦の上では、穀雨(こくう)です。
万物が潤(うるお)う季節でしょう。
3日前の、烈しい風と強い雨が、穀雨だった、のかもしれません。

柿(かき)の若葉が、美しいです。
葡萄(ぶどう)の幼い葉も、美しいです。
山椒(さんしょう)の青い葉も、美しいです。
柿の葉も、葡萄の葉も、山椒の葉も、みんな、それぞれの葉の形をしています。
みんな、この上ない、贅沢(ぜいたく)です。

八重桜(やえざくら)も、満開です。
藤(ふじ)の花も、満開です。
石楠花(しゃくなげ)も、満開です。
みんな、それぞれの花を咲かせています。
みんな、青い空に、映えています。
みんな、究極(きゅうきょく)の贅沢です。

小さな羽虫(はむし)が、舞っています。
白い蝶(ちょう)も、舞っています。
大きな熊蜂(くまばち)も、舞っています。
みんな、初夏の日の光を、浴びています。
みんな、贅沢の極(きわ)みです。

「春山の芽ぶきととのふ 谷の村。昼鳴く鳥の声の ものうき」(釈迢空 寂しき春 水の上)
「春既(ハヤ)く 弥生(ヤヨヒ)の山となり行けど、黒木かこめる村の ひそけき」(釈迢空 寂しき春 水の上)
「日のゆふべ つつ音(オト)聞きし宵遅く、春山どりの つくり身を喰(タ)ぶ」(釈迢空 寂しき春 水の上)

「生き悩む身をば思はず ひたすらに心の飢をかなしみにける」(窪田空穂 心の飢(青春回顧) 木草と共に)
「堪(こら)へつつ最後の線に生くる身と おもふこころの老ゆれど去らぬ」(窪田空穂 心の飢(青春回顧) 木草と共に)

「裏木戸に穀雨の日差ありにけり」(角田独峰)

今朝は、よく晴れています。
青い空が、ひろがっています。
美しい水色です。

白い大きな雲が、ひとつ、浮かんでいます。
やや黄色の霞のような、うすい雲も、あります。
朝から、太陽が輝いています。
あたたかな日光が、そそいでいます。

きのう、浜松に住む妹が、山菜(さんさい)を送ってくれました。
蕨(わらび)や楤(たら)の芽や、筍(たけのこ)まで、包まれています。
青い莢(さや)いんげんも、入っています。
蕨や筍は、アクぬきしてあります。
すぐに炊いて、いただきました。
実に、感動的な旬(しゅん)の味わいでした。

葡萄(ぶどう)の青葉が、伸びています。
柿(かき)の若葉が、大きくなっています。
藤の花に、熊蜂が、来ています。
白い蝶(ちょう)が、舞ってきました。
やはり初夏のような空です。

「青々としたる蕨のとどけるを 畳のうへにしばし置きつつ」(斎藤茂吉 白桃)
「うるはしきをみなに似ざる さ蕨をわれは愛でつつ朝々に食ふ」(斎藤茂吉 白桃)

「早蕨を誰がもたせし厨かな」(虚子 五百句 大正13年4月20日、発行所例会。)
「真下なる天竜川や蕨狩」(富安風生